電流が磁場から受ける力:アルミホイルを用いた可視化
軽くて動きやすいアルミホイルを使って、電流が磁場から力を受けることを示す。
【キーワード】
磁場中の電流に働く力
【目的】
電流が磁場から力を受けることを観察させる。また、その力の向きが磁場や電流の向きによってどのように変わるかを理解させる。
【用意するもの】
材料 | 個数 | 備考 |
方位磁針 |
1個 |
磁石の極性を確認するために使う。 |
アルミホイル |
適量 |
家庭用のもので可。 |
みのむしクリップ | 3個 | アルミホイル、豆電球、発電機をつないで回路を形成する。 |
磁石 | 1個 | フェライト磁石で可。ここでは、円筒型の平たい磁石で、机の上に置いた時に上向きがNまたはS極になるものを用いた。 |
手回し発電機 | 1個 | ここでは防災用品として市販されている携帯電話充電用のものを用いた。これはハンドルを回す向きによらずに同じ向きに電圧が発生するので注意。電池でも代用可。 |
テスター | 1個 | 電流の向きを調べるために使う。 |
【実験時間】
15分
【実験準備】
- アルミホイルを長さ10cm程度、幅数mm程度に細く切る。このとき、アルミホイルがよじれないようにする。
- 方位磁針を用いて、磁石の極性を確認しておく。
【実験手順】
電流が磁場から受ける力について説明しておく。
- 発電機の両端にテスターを継ぎ、起電力の向きを確認する。
- 発電機、豆電球、アルミホイルをみのむしクリップで直列に結んで回路を作る(図1)。
- アルミホイルの下に磁石を入れる(図2)。
- 発電機のハンドルを回したときにアルミホイルが動く方向を、学生に予想させる。
- 発電機のハンドルを回し、アルミホイルの動きを学生に観察させる。
- 同様の実験を、条件を変えて繰り返す:
- 発電機を継ぎ変えることで、電流の向きを変える
- 磁石の向きを変える
- 発電機を回す速さを変える
- 装置全体の向き、あるいは、アルミホイルの向きを90度変える
図1.回路の概略(磁石を除く)。左の青いものが手回し発電機。
図2-1.発電機を回していないときのアルミホイルの様子 |
図2-2.発電機を回しているときのアルミホイルの様子 |
【教員による説明】
実験を行う前に、電流$\vec{I}$の長さ$L$の部分が磁場$\vec{B}$から受ける力$\vec{F}$が、
$$\vec{F} = L\vec{I} \times \vec{B}$$
で表されることを説明する。電流、磁場、力それぞれの向きについて復習しておく。
【注意点・備考】
- 動く部分を軽くするためにアルミホイルを用いた。銅線では重いために動きが見えにくい。
- この実験の動画が次のサイトにある,
http://www.r.phys.nagoya-u.ac.jp/~tkonishi/edu/2005/em2/2005-04-25/IxB-force.html
【記事作成者】
小西 哲郎(名古屋大学理学研究科)
最終更新日時: 2014年 05月 9日(Friday) 08:23