トピックアウトライン
- 開発の秘訣
開発の秘訣
講義実験の機能を把握し、取り入れる意図を定めたら、講義実験の開発に移ります。ここでいう「開発」という言葉には、一から発案して実験を製作することだけではなく、文献などを参考にして実験を製作することも含まれています。以下では、講義実験の「開発の秘訣」を、大きく3つに分類して紹介します。 1.意図を設計に反映させる 注)括弧内は、「講義実験の機能」で挙げた分類A〜Eとの対応を表しています。
- 意外な結果が得られる(A, D, E)
- 日常的または時事的な要素を含む(A, C, E)
- 見栄えがする(A, C, E)
- 過度に娯楽化していない(D, E)
- 結果が簡単に予想できない(B, D)
- 学生が段階的に理解できるように、実験が順序立てられている(B, E)
2.学生が現象を認識しやすい設計にする
- 講義室のどの位置からでも、実験の内容と結果を認識できる
- 器具の構造が単純で、ブラックボックスがない
- 対応する物理概念が1つに絞られている、または複数の物理概念の関連が単純である
- 現象が視覚的・聴覚的に明快であり、一通りにしか解釈できない
- ごまかしなく、直截的に現象が提示される
- 実験が高い確率で成功する
3.実施が容易な設計にする
- 身近な物品や安価な部品を用いる
- 持ち運べる大きさ、重さにする
- 組み立て、分解が容易であるか、または小型なデザインにする
- 運搬中や実験中に壊れないようにする
- 実験に要する時間を15分以内とする
- 実験をすぐに繰り返せるようにする
- 保管しやすくする
- 安全性の高いデザインにする
- 講義室の環境や教員の技能によらず、安定した実験結果が得られるようにする